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カテゴリー: その他の養蜂仕事

ミツバチの増やし方1 移虫(いちゅう)―女王蜂作り 

本日は移虫という作業のお話。

ミツバチの家族(群、コロニー)は一匹の女王蜂と

たくさんの働き蜂、少しの雄蜂で構成されています。

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女王蜂が卵を産んで家族を増やし、

働き蜂や雄蜂の数はその時々で変わりますが、

決まりがひとつ。それは

「ひとつの家族に女王蜂は一匹だけ」

ということです。

言い換えれば、女王蜂が2匹いれば、

2家族になる、ということです。

つまり、ミツバチの家族を増やすには、

女王蜂を増やさないといけません。

 

というわけで、ミツバチを増やしたい時は、女王蜂を増やします。

王台(おうだい)と呼ばれる特殊な巣房に生み付けられた

幼虫が女王蜂になります。

普通の巣房は地面に対して水平に作られていますが、

王台は地面に対して垂直に、出口が下向きに作られます。

 20140713135636.jpg

 写真の右下にある、ピーナッツの殻がくっついたようなのが王台です。

王台にはローヤルゼリーが与えられるので、

王台に生み付けられた幼虫は、

ローヤルゼリーを食べて育ち、女王になります。

普通の部屋にうまれると、

ローヤルゼリーはもらえないので、

働き蜂になります。

全く同じ幼虫ですが生まれた場所によって運命がかわります。

 

ミツバチたちは下向きの部屋にはローヤルゼリーを

与えてくれますので、

女王蜂を沢山増やすには、この下向きの王台を沢山増やせばよいです。

20140713140535.jpg

写真のように、プラスチックの小さなコップ(王椀:おうわん)を

下向きにたくさん並べて、人工的に王台にします。

下向きの部屋で落っこちないのか心配ですが、

ローヤルゼリーの表面張力で落ちないらしいです。

頭に血は上らないので大丈夫です。 

 

空のコップを巣の中に入れておいても、

いつここに卵を産んでくれるか分かりませんから、

このコップの中に、生まれたての幼虫を入れておきます。

そうすると、幼虫のいる下向きの部屋には

働き蜂たちがローヤルゼリーを入れてくれるので、

女王蜂をつくることができるのです!

 

そして、その幼虫を人工王台に移動させる作業を移虫(いちゅう)といいます。

まず移虫に適した幼虫を巣の中から探します。

幼虫の写真が載せますので、

そういうのダメな人は要注意!

20140713113021.jpg

これがミツバチの巣です。

よーくみると、ひとつひとつの部屋に白い幼虫が入っているのが分かります。

でもずーっと見てると気持ち悪いです。

写真の真ん中より少し左下のあたりは

かなり大きい幼虫で、

部屋いっぱいに丸くなってます。

もう少ししたら、2枚目の写真のように入り口にフタがされて、サナギになります。

 

移虫に適しているのは、

卵から孵って2,3日くらいの小さなもの。

でっかい幼虫がいる右上あたりの部屋に、

ちいさーいCが入ってるの、見えるでしょうか?

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緑でなぞって見ました。

これくらいのサイズを見つけます。

ちなみに、緑でなぞってないのは大きすぎと判断したものです。

これを、すくって、人工王台に移動させます。

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みえますかー?

20140713113024.jpg

これですー↑

 

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なかなか、目が疲れます。

小さな幼虫はとっても傷つきやすいので、

傷つけないようにそっと、そっと。

意外に繊細な作業の得意な三代目です。

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移虫ができたら、巣箱に戻して、

あとはミツバチに預けます。

女王蜂に育ててくれよー。

 

きっかり10日後、

女王達が羽化する直前に今度はいよいよ割り出し(分けだし)

という作業があります!

 

国産はちみつ

ナルセ養蜂場

メロンのミツバチ

皆さんご存じとは思いますが、

ミツバチたちに頼っていることは

はちみつや蜜ろうを分けてもらう事だけではありません。

もうひとつ大事な仕事があります。

20140628101715.jpg

作物の花粉交配です!

イチゴやリンゴ、ミカン、カキ、カボチャ、スイカ、などなど。

写真のようにビニールハウスで作る場合は絶対必要です。

上の写真のハウスはメロンのビニールハウス。

右端に小さな木箱が見えますが、

あれがミツバチの巣箱です。

メロン農家さんにお願いして中の様子を見せていただきました。

おじいちゃんとおばあちゃん二人でメロンを育てているそうです。

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「いつもはもっとブンブン飛んでるんだけど」

この日はちょっと涼しかったせいか、

あんまりミツバチさんが飛んでいない様子。

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それでも何匹か、

ビニールハウスの中にミツバチがいましたよ~

そして下の写真がメロンの花。

20140628101718.jpg

これは青い果肉だそうで、

他に赤肉の花も見たんですが、

私には見分けがつきませんでした。

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そして、ちゃんとミツバチが仕事していました!

いつもながらかわいらいしいお尻です!

 

今年は6月初めの急な高温、

それにつづく長雨でおじいちゃん

「(ハウスのビニールを)両側全部上げけど暑くて」

とお天気にずいぶん振り回され大変だったようです。

 

それでもいくつかすでに実が大きくなっていました。

 

帰り際におばあちゃんが

「だれか農家やってくれる若い人おらんかねー」

と話しかけてくれました。

彼らも毎年もうやめよう、と思っているけれど

「道路っぱただから、草はやしておくわけにもいかねぇし」

と無理にやっているとか。

「あれも空き家だし、あそこの畑ももやめたんだ」

「これからどうなるんだか…」

 うーん、何か力になれれば良いんですけど…

 

テレビではたまに若者の新規就農の話をやってたりしますが、

まだまだ一部の話なんでしょうか。

なんて、ちょっと考えてしまいました。

 

国産はちみつ

ナルセ養蜂場

ミツバチの様子チェック

6月15日午後、

蜂場(ほうじょう)の様子を見て回るのについていきました。

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朝から降っていた小雨があがってミツバチたちが働きにでていました。

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雨間を縫い働く姿に軽く感動です。

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北海道の山の中は、本州の様子とは雰囲気が違います。

 20140617193445.jpg

雨上がりでとっても綺麗。

 

ミツバチの巣箱は一つの場所に

どーんとたくさん置くのではなく、

広範囲に少しずつ置きます。

ミツバチの飛べる範囲と、

蜜源となる植物の多さを考え合わせている、

と思います。

 20140617192406.jpg

いくつか蜂場をまわるうちに、

少し晴れ間が見えました。

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ハチの様子や、はちみつの入り具合、

蜜蓋のかけ具合をチェックしています。

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明日どこの蜂場の採蜜に行くか、

この蜂場は何日後くらいに採蜜するか判断します。

 

この地域のアカシアの花はまだもう少し持ってくれそう、

もう少し、アカシアのはちみつが採れるといいなぁ。

20140617192401.jpg

 

国産はちみつ

ナルセ養蜂場

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